キングダム KINGDOM

Special

放送直前!4週連続スペシャルインタビュー企画<第3弾>

週刊ヤングジャンプに掲載されたインタビューを公式サイトでも公開!

【第3弾】
信役:森田成一×嬴政役:福山 潤 スペシャル対談!(後編)

前編はこちら



◆注目キャラは、張唐と項翼!?

――:第3シリーズのイチ押しキャラクターについてお聞かせください。

福山:僕は張唐というキャラクターが大好きなんですが、シリーズが始まる前にまず気になったこととして「張唐役はどなたになるんだろう?」と。そして浦山迅さんに決まったと聞いた時に「あー…これでもう成功は間違いない!」と納得しました(笑)。張唐は第3シリーズから登場してくるキャラクターで、しかも序盤の展開を牽引していく重要なポジションのキャラクターの1人じゃないですか。浦山さんとは色々な作品でご一緒させてもらったのですが、あの方の声が持つ安定感、破裂音のような迫力、威厳といったものが、「老将なのに現役でフィジカルもエネルギッシュである」という張唐のキャラクター性を表現するのに完璧な説得力なんですよ。張唐の「何をさらしてくれとんじゃァ!」という叫びに関しては、僕もオンエアをとても楽しみにしているファンの1人です(笑)。

森田:原作を読んでいる時にもアガったシーンだからね!

福山:第3シリーズに登場するキャラクターって、軒並み全員「凄い人達」ばかりなんですよ。その中において張唐は、ある意味「凄かった」という評価のキャラクターであると思うんですよね。大舞台でひと華を咲かせる浪漫であったり、彼の見せる生き様は桓騎という異質な存在にまで影響を及ぼしてしまうわけです。個人的にとても楽しみにしていた数々のシーンを浦山さんに演じて頂ける幸せを、皆さんと共有したいですね!

森田:信は、序盤は麃公将軍とのやり取りが多いんです。麃公は第3シリーズで重要な役目を担っているキャラクターで、ストーリーに流れる大河の1本だと思うんですよね。麃公の奏でる旋律に乗って、色んなキャラクターが物語を紡いでいくようなイメージすらあります。彼の見せる激しさであったり愛情であったりといったアイデンティティが存分に描かれていくのは見ごたえがありますね。あと、新キャラクターの1人である項翼にも要注目です!項翼役には鈴木達央くんがキャスティングされて、今回から『キングダム』の現場に入ってきてくれたんですが、とにかく「負けん気」が強い性格で(笑)。収録が始まった瞬間に僕よりも大きな声を出し始めたんです。それを目の当たりにして「コノヤロー、いきなりかましてきやがったな!」と(笑)。

福山:2人の張り合いは、収録現場の皆で笑って見てましたね(笑)。例えとして適切かどうかわかりませんが、現場を仕切っているヤンキーのボスとして森田さんがいて、そこに新たに鈴木くんという新参のヤンキーが入ってきて、バチバチにメンチを切り合っているという(笑)。

森田:やたらと張り合ってくるんだよ(笑)。なので収録はめちゃくちゃ楽しくて。彼とは他の現場でも一緒になったりして、とても作品の世界観を大切にしてくれる役者だということはわかっていました。ですので『キングダム』の現場の雰囲気もすぐに肌で理解してくれて、とても頼もしかったんですよ。僕の演じる姿を見て張り合うように返してくれて、やり取りを重ねていくうちに厚みがどんどん増していくのを感じました。ぜひ項翼というキャラクターに注目して欲しいですね。他にも、木下浩之さんが演じられるオルドの存在感も大好きなんですよ。張り詰めた空気の中で、1人だけマイペースじゃないですか。あの「空気が読めてない感」を、また木下さんが見事に演じられるんですよね!細かな演技で、ちょっと感性がズレたような部分がにじみ出ていたり…たまらないものがありますよ(笑)。

福山:そして、そんなオルドに対するのが、堀内賢雄さん演じられる王翦というのがまたね!「吹き替え」分野の大巨頭であるお2人のやり取りというのは、それだけでもう聞き応え十分すぎますからね。

――:福山さんは第3シリーズでオギコ役を演じられていますよね。

福山:ええ、演じさせて頂いてます(笑)。都合のいいことに、オギコの登場シーンって嬴政はまず出てこないんですよ(笑)。原作を読みながら自分なりのオギコ像というのは出来上がっていましたし、政のイメージに影響を及ぼすことのない演じ分けも可能だという確信も持てたので、頂けた機会を楽しんで演じさせてもらってますね(笑)。同じコメディリリーフとして個人的に気になっていたのは「バミュウ役を誰が演じるのか」ということでした。奇しくも僕が先にアッパー気味なオギコを演じたので、バミュウはどなたがどういった風に演じるんだろうと楽しみにしていたら、「ドM」を演じることに関しては並ぶ者がいない「職人」の方が来てしまったという…(笑)。

森田:(大笑)。

福山:とても安心感がありました!

森田:岩田光央さんのバミュウは、本当に「まんま」でしたからね!収録に立ち会った人間は全員「これもう岩田さんそのものじゃん」と感じたと思います(笑)。想像していた通りの見事なバミュウですよ。特に第3シリーズに入ってからはコメディのシーンって少なくなっていましたから、オギコとバミュウの存在感は際立ちますよ!

福山:「作品の雰囲気から浮いていいんだな」って思いましたね(笑)。でもね、オギコやるのってめちゃくちゃ体力使うんですよ!

森田:バミュウの上官である媧燐は田中敦子さんが演じられているんですが…発する言葉に重さがありつつ軽妙さや妖艶さも兼ね備えていて、なんというか「絶対にこの人は信用しちゃいけない!」と思わされてしまう説得力があるんですよね。媧燐の台詞は視聴者の皆さんにはぜひヘッドホンを付けて聞いて頂きたいなと思います(笑)。あとは『キングダム』の売りの1つに「檄」があるじゃないですか。その檄をどう飛ばせるのかというのは、役者として超えなきゃいけないハードルの1つなんですよね。そういう意味では、作品を通して一番苦労されているのは蒙武役の楠大典さんなんじゃないかと…(笑)。

福山:大典さん、もうずっと声を張ってますよね。蒙武と汗明の一騎打ちは見所の1つですが、実はどちらかが「悪役」だというわけではないんですよね。汗明は態度に不遜さはあるものの、武においては誠実な人物です。台詞を聞いていても、田中美央さんが1人の豪胆な武将として演じられています。「つまらぬ」とか強い言葉を使っているので、原作を読んでいる時には悪役のように思えたかもしれないですが、田中さんの演じられるアニメの汗明に関しては、きっとまた違った印象を受けると思いますよ。

◆政の台詞に、思いがけない苦労が!?

――:「合従軍編」で描かれるエピソードについても、お聞かせください。

森田:第3シリーズは「国を護る」というのがテーマです。そして、そんな国を作っているのは「民」であることが描かれていくのが印象的なんですよね。今まではそれほど「民」というものにスポットが当たってこなかったんですが、国のトップに立つ王が国民と触れ合い、そこに暮らしている普通の人達の様子が描かれていく。民に接したことで政も「民を護らなくてはいけない」という思いを一層強くします。国の危機にまさに「一致団結」するにはどういったプロセスが必要なのかが描かれていくので、それをメッセージとして伝えることは出来るんじゃないかなと思います。

福山:第1シリーズで政を演じていた頃は、原作はまだ「合従軍編」の途中だったんですよね。僕が原作で合従軍編の「とある」エピソードを読ませて頂いた時の率直な感想なんですが「原先生、やってくれましたね!」と(笑)。「秦王、嬴政である」という政の台詞に対して、ナレーションで「政の声はよく通った」と書かれてるんですよ(笑)。それを読んだ瞬間に「…これ、演じるの僕なんですけど!?」って冷や汗が(笑)。

森田:確かに書いてあったね(大笑)。

福山:なので第2シリーズが終わって今作が始まる6年の間に、この台詞に説得力を持たせられるようにならないといけないというのは、半端じゃないプレッシャーになりましたからね!拡声器があるわけでもない、大勢がざわめく中で、張り上げるでもなく声をスッと通さなくてはいけない。アニメでは政の声に関するナレーションは蛇足になるので割愛されているんです。なのでよけいに、僕の演技でそれを表現しないといけなくて。

森田:原作ファンにとっては「これが政の“よく通る声”かぁ」ってなるわけだしね。

福山:6年前に思い悩んだ答え合わせをやっているような感覚もありましたね(笑)。

――:その後の嬴政の「黙礼」も印象的なシーンですが、演じていていかがでしたか?

福山:色々な演出や演技プランが考えられるシーンでした。音響監督のディレクションと役者側の考える演技プランを上手くすり合わせていって、一連の流れを編んでいきました。感傷的なシーンではありますが、過度に感傷的になりすぎないように…政が人情的な顔を表に出すシーンって、それまであまり無かったんですよ。演じるにあたり初めてといってもいいシチュエーションです。台詞数も多いわけではないので、少ない言葉の中でどう感情を発露させるかなど、難しいシーンでしたね。実際に収録させて頂いて、それが「正解」だったのかはわかりませんが、我々としては出来る精一杯の限りで作り上げていったので、視聴者の心に響くといいなと思いますね。

◆一丸となって作り上げた、第3シリーズ!

森田:イレギュラ―な形で制作期間が1年以上も伸びるなんて経験は初めてのことでした。我ながらよく1年間テンションを保ち続けられたと思いますよ。若い役者の皆が頑張ってる様子を音響監督さんを通じて聞いたりしていると励みにもなりましたしね…。収録終わりにLINEや電話でメッセージをくれたりするんですよ、「これから最終決戦に行ってきます!」なんて。そんな熱い想いを見せられたら、僕だけ気持ちを切らしている場合じゃないですからね。僕なんかよりも、彼らのほうが何倍も不安だったはずなんです。僕も座長として、もっと彼らにしてあげられることがあったんじゃないだろうかと…そんなふうに後悔したりすることもありました。こんな状況下で彼らが役者として成長して、逆に僕のほうが励まされるようなこともあって、今はもう感謝の気持ちでいっぱいですよ。

福山:正直、先が見えなくて「どうするんだろう…」という不安だらけでしたからね。今こうして1年の延期を経て再開できることになりましたが、延期当時は本当にこれからどうなるのかなんて誰にも分からない状況でした。収録にしても、コロナ禍での初収録では、1話を録り終わるのに3週間もかかったんですよね。空気の入れ替えや消毒、その他、色々と慣れないことばかりで、とてもじゃないけどいつ制作が終わるのか見えないような状況でした。『キングダム』以外の現場でも、そんな混乱が続いていました。エンタメ業界に関わるすべての人達が人智を尽くしてコロナに対抗してきたからこそ、今こうやって再び進み始められているんだと思いますよ。そんな思いで作り上げてきた第3シリーズですが、ある日、ウチの事務所から電話がかかってきて「福山さんはもうクランクアップです、これ以降の出番はありません」と言われ、最終回を待つこともなくひと足先に現場を去ることになるという…(笑)。

森田:そんなオチでいいの?(大笑)

福山:皆さん、そんな『キングダム』第3シリーズ、これからよろしくお願いします!(笑)


◆◆第1&第2シリーズ Blu-ray BOX発売記念コメント!!

――:Blu-ray BOXが発売されますが、第1、第2シリーズの思い出について、お聞かせ下さい。

森田:『キングダム』は信の成長物語でもあります。彼を取り巻く環境、世界がどんどん大きく変化していって…実はオープニングの映像でもそれが表現されているんですよね。最初に信が率いている隊員の数は少ないんですが、物語が進行するにつれて隊の規模が大きくなっていってるんですよ。それに象徴されるように、信の周りにもだんだんと人が集まって増えていきます。天涯孤独の身の上だった少年が、政や河了貂と出会って絆が増えていく。戦国の群雄割拠を描く群像劇でありながら、そういった小さな仲間との繋がりも大切に描いている作品ですから、色んな人と人との繋がりを感じてもらえるとありがたいですね。そして信は数々の「死」にも直面していくんですが、全て意味合いの異なる「死」なんです。そういった「死の重さ」というものを昔は推し量ることができなかったのが、今の信は「死」を受け止め、その先までも見られるようになってきている。「大人」になりましたね。幼い頃の信であれば、他人の死なんてよくわからないことだったのかもしれないですが、今は軍隊を率いる将なわけですから隊員を死なせてはいけないという責任も出てくる。信の成長と共に、徐々に台詞の1つ1つに自然と重みが感じられるようになっていきます。それでいて根っこの部分は昔のままで、そんなアイデンティティの崩れなさも信の魅力です。相手に伝える方法であったり言葉の選び方であったり、そういった信の成長に注目して見返して頂くのも面白いと思います。

福山:『キングダム』は、とにかく登場するキャラクター数が多い作品です。ですのでバイプレイヤー(※助演者)の役者さんも多数参加されていて、色んなキャラクターを「兼役」で演じられています。龐煖役の高塚正也さんはナレーションも兼任されていますし、序盤に登場した左慈役や飛信隊では尾到、松左など、本当にたくさんの役を兼ねられています。全編に渡ってバイプレイヤーの役者さんが参加されているということは、実は作品にとってもの凄く重要なんですよ。常に収録に参加されているので作品の雰囲気も把握されていて、収録ごとに現場の熱量がリセットされることなく持続していく要因になりますし、監督のディレクション傾向、情報の共有がとても円滑に進むんです。『キングダム』の収録は30人近い役者が集まる出入りの激しい現場ですから、その中に常に現場に参加されている役者さんが1人、2人しかいないのと、5、6人いてくれるのでは全然違ってきます。ファンの皆さんにも「兼役」という存在の重要さを理解して、そういった視点で過去のシリーズを振り返って見て頂くのも、とても面白いことだと個人的には思います。 森田:『キングダム』は、高塚さんを追いかけながら楽しむ作品でもあると(笑)。エンディングのテロップに記載されていない役も兼ねられていたりしますからね。全て探しきるのは相当難易度高いです。でも高塚さんは毎回の現場にいてくれて、本当に頼もしい存在ですよ!兼役って役者としてのスキルが高くなければ出来ないことですからね。

――:信が経験する数々の戦場のシーンも見所の1つですよね?

森田:個人的に演じていて一番面白いと思った戦いは、信が成蟜の反乱で山の民と一緒に戦ったシーンなんですよね。山の民っていわゆる「蛮族」と呼ばれる人達でアクションも規格外だし奇妙奇天烈な容姿や行動も魅力的ですし、とてもバラエティに富んでいるキャラクター達です。そんな彼らに対して、左慈やランカイとの戦いを通じてちょっとずつ信が仲間意識を感じていく過程も思い入れが深くて好きですね。序盤の展開って、シンプルに少年漫画っぽい熱さがあるんですよ。宮中で繰り広げられる政治的な戦いや陰謀の怖さは政に任せ、信はひたすらに剣を振り続けていくわけですが、第1シリーズというのは色んなパターンの物語が楽しめるのが見所だと思います。そして王騎将軍に関しては、また別格というか…馬に同乗して将軍の目線を体感したり矛を彼から受け継いだりはしましたが、王騎については、まだ信の理解が及ばない存在なんだと思います。この先、王騎の矛を振るうシーンを演じる時、それまでに僕がどこまで信を成長させていけるのかは課題ですね。また、第2シリーズでは第13話に、占領した城で秦軍による略奪行為が行われるのを見て信が激怒する場面があるんですが、あそこって信のアイデンティティを一番よく表しているシーンだと思うんです。そういったことが回り回って、第3シリーズの万極とのやり取りにも繋がっていくわけです。下僕から成り上がったゆえの視点、考え方だと思うんですよね。それが信の「根っこ」なので、とにかくそれだけはブレないように演じ続けていって、その道の先に信の目指す「大将軍」という存在があればいいのかなと思っています。

TVアニメ「キングダム」2021年4月4日(日)24:10~ NHK総合にて放送開始!

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『キングダム』原作者 原泰久

今年も4月からTVアニメ「キングダム」新シリーズが始まります!
敵国五か国の連合軍との戦いであった第3シリーズ「合従軍編」から一転、 今シリーズでは秦国内の権力争いにともなう戦いが色濃く描かれます。 王弟・成蟜の戦いを経て、嬴政は国内最大の障壁である呂不韋といよいよ対峙する時です。 キングダムの前半期のピークを迎えます。著雍攻略戦での信達の活躍にも注目です。
内容盛りだくさんの新シリーズもどうぞ宜しくお願い致します。

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